老後2000万円問題に少子高齢化による年金問題、さらには新型コロナウイルスといった突発的な出来事など、将来何が起きるか分からない昨今、各メディアでは「資産運用」や「投資」といった言葉をよく耳にするようになってきました。
みなさんの中にも最近になって興味を持ち始めた方がいらっしゃると思いますが、「何から始めてよいのか分からない」、「仕組みや用語が難しく感じて、今一歩踏み出せない」という方も多いのではないでしょうか。
そこで今回は、資産運用や投資にチャレンジするきっかけとして、10-69歳を対象にアンケートを実施し、資産運用や投資についての最新事情を調査レポートにまとめました。
最初に、資産運用や投資について、どの程度必要性を感じているのかを伺ってみました。
必要性を感じている方は54.1%と半数以上ではあるものの、内訳を見てみると「非常に感じている」が19.7%、「まあまあ感じている」が34.4%で、すぐにでも何とかしなければといった意識を持たれている方は、それほど多くない印象です。一方、性年代別で見ていくと、男性は30~40代、女性は30代で「非常に感じている」割合が高くなっていることが分かりました。
では、資産運用や投資の必要性を感じると回答した方は、具体的にどのような理由で必要と感じているのでしょうか。「資産運用や投資の必要性を感じる理由は何ですか?」という質問をし、当てはまるものを3つまで選択していただいたところ、このような回答が多く見られました。
- 1位:老後への備え・・・・・・・・・78.7%
- 2位:漠然とした将来への不安・・・・55.4%
- 3位:銀行に預けても増えないため・・35.3%
- 4位:自由に使えるお金を増やすため・34.4%
- 5位:教育資金・・・・・・・・・・・7.3%
多くの方が将来の備えや安心を担保するために資産運用や投資は必要だと感じているようです。一方、現在資産運用や投資の必要性を感じていない方にも当てはまる理由を3つまで選択してもらいました。
- 1位:リスクが怖い・・・・・・・・・43.6%
- 2位:損する可能性がある・・・・・・38.7%
- 3位:貯金の方が安心・・・・・・・・27.1%
- 4位:資金がない・・・・・・・・・・23.8%
- 5位:金融や投資の知識がない・・・・20.4%
資産形成の種類や運用方法にもよりますが、資産運用や投資には元本保証がないものもあります。そのため、「将来のために投資したお金がもし減ってしまったらどうしよう」といった不安があり、わざわざリスクを犯してまで、積極的に行う必要性はないと感じている方が多いようです。
資産運用や投資への興味や必要性を感じているものの、実際に行ったことがない方もいらっしゃると思います。
そこで「これまでに資産運用や投資(普通預金は除く)を行ったことはありますか?」という質問をしてみたところ、実に60%の方が資産運用や投資が未経験であることが分かりました。男女別で見ると、男性よりも女性の方が未経験の割合がより高くなっています。
また、資産運用や投資経験がある方に、現在も継続して行っているかも伺ってみたところ、80%以上の方は継続しているという回答が得られました。資産運用や投資は何となく障壁が高いと感じるものの、いざ始めてみると、むしろメリットを感じる方が多いのではないでしょうか。
そこでここからは、実際に行っている資産運用や投資の種類、成功・失敗体験などを伺った結果をご紹介していきます。
一口に資産運用や投資といっても種類はさまざまあります。具体的に経験者のみなさんはどのような資産運用や投資デビューをされたのでしょうか。
全体的に「NISA(28.5%)」「株式投資(22.9%)」「投資信託(16.6%)」からスタートする方が多く、特に男性は株式投資、女性はNISAが多いことが分かりました。また、現在も継続して行っている種類も伺ってみましたが、上位TOP5は同じ結果となり、傾向を見ると長期運用を目的とした運用方法や投資商品が人気のようです。
こうした資産運用や投資をするにあたって、どのくらいの資金を充てているのかも気になるところではないでしょうか。そこで「収入の何割くらいを資産運用や投資に充てていますか?」という質問も伺ってみました。
最も多かったのは1割未満(45.1%)でした。年代別では10~20代の若年層や30代男性は、収入の2割~3割未満から半分以上を資産運用や投資に充てている方も目立ちます。
家族構成や生活環境によって異なるため、一概に収入の何割がベストという明確な答えはありませんが、目安として、まずは収入の1割程度からスタートしてみても良いかもしれません。
今回の調査では、資産運用や投資の経験のある方の71.2%が「始めて良かった」と感じていることが分かりました。ただ、繰り返しになりますが資産運用や投資は上手くいくこともあれば、そうでないこともあります。
損失が出てしまったり、思うような結果につながらないことで「資産運用や投資は難しいもの」と感じてしまい、途中で辞めてしまう方も一定数いらっしゃるようです。
運用方法によっては専門性が高かったり、管理や仕組みが複雑になる点、NISAやiDeCoなど長期的に見ないと良し悪しや結果がすぐ分からないという判断の難しさもあるのかもしれません。
とはいえ、適切な運用や投資を行うことで資産や利益が増えることはもちろん、株主優待や節税につながるなどプラスαのメリットを感じている方も少なくありません。
また、今まで漠然と将来の不安を感じていた心に余裕が生まれ、より資産運用や投資の勉強をしていこうといった「気持ちの面でのメリット」を感じられている方も多いようです。
今回の調査から、資産運用や投資について難しさやハードルの高さを感じている方がまだたくさんいらっしゃることが分かりました。
しかしながら、本記事でご紹介したように資産運用や投資にもリスクの大小を含めてさまざまな種類があります。実際に色々と試すことで、自分の性格や生活環境に適したやり方が見えてくると思いますので、まずは「これなら出来そう」というものを、探し始めてみてはいかがでしょうか。