今どきのお金の増やし方をリサーチ!
目次
大切な資産を育てていく方法は?
お金を増やすやり方は十人十色だし、経済情勢や世相によって注目を集める投資方法も変わってきます。1990年前後のバブル経済期に脚光を浴びた不動産投資やゴルフ会員権の売買、1998年に登場したFX(外国為替証拠金取引)、つい最近は何かと話題になっている仮想通貨などはどちらかというとハイリスク・ハイリターンなイメージ。それに対して、コツコツと地道に貯金を積み立てスズメの涙のような利息を受け取るだけの保守的な資産運用もあります。
では、この長く続く低金利時代に人々はどんな方法で大切な資産を育てようとしているのか、今回はそんなリサーチを実施してみました!
あなたならどうやってお金を増やす?
最初の調査は、実際にいま行っている資産運用の方法について。いったいどんな結果が出たことやら…
現在行っている資産運用は何ですか?(複数回答)
圧倒的な第1位は「貯金」で全体の60.5%を占めました。昨今の低金利を考えると、これはお金を「増やす」というよりは「守る」という姿勢と言えます。第2位の「株・国債・投資信託」は21.1%とおおよそ5人に1人が行っていることになりますが、年代別に見てみると60代が37.7%と断然リード。あくまで予想ですが、年齢的なことを考えれば短期的に売買を繰り返して増やしていくというよりは、将来の蓄えとして投資しているのではないかと思われます。というのも、3位~5位のFX(2.8%)、仮想通貨(1.9%)、不動産投資(1.9%)はかなり低調で、投機的なイメージがする方法は敬遠されていることが見て取れます。最近注目されている仮想通貨さえ、まだ様子見という人が多いことが窺えます。
そのことは、次の「資産運用の目的」の回答に色濃く出ています。
資産運用の目的は何ですか? (複数回答)
「将来の生活費の確保」(79.2%)が、2位の「経済的なゆとり」(53.3%)以下を大きく離しての第1位。面白いのは、そう答えた年代は60代が一番少なく(69.2%)、20代(79.6%)から50代(83.8%)までは8割前後の高いパーセンテージとなっています。今は幅広い世代が目先の収益よりも将来の安定した生活を重視しているということなのでしょう。
なお、最初の設問で資産運用を「行っていない」と答えた人もおおよそ3人に1人の割合(36.2%)で多いことがわかりました。さて、その理由とは?
資産投資の不安や問題は?
資産運用を行わない理由は何ですか?(複数回答)
「難しそう」(35.1%)、「必要がない」(33.5%)、「損をするのが心配」(31.9%)、「運用方法がわからない」(29.3%)といった回答が、それほどの差はなく上位にランキングされました。
「難しそう」「運用方法がわからない」は「損をするのが心配」につながるという見方もできます。その点、「必要がない」はちょっと異質で、いろいろなことを想像してしまいます。「普通に暮らせるだけの資金があれば、それ以上は要らない」という気持ちがあるのかもしれません。参考までに「その他」の自由回答では、「資金がない」「金銭的な余裕がない」といった答えが少なからずありました。これも「生活が最優先」ということなのでしょう。
では、皆さんは資産運用の情報をどのようにして入手しているのでしょうか。
情報収集はどうしてる?
貯蓄や投資の情報をどのような方法で集めていますか?(複数回答)
「集めていない」が第1位(54.3%)。資産運用方法のトップが「貯金」であることを考えれば、特別に情報を集める必要はないとする人が多いのもわかる気がします。
次に続くのは「インターネット」(29.4%)で、第3位に挙がった「新聞(一般紙)」(14.6%)の約2倍でした。後者は20代(8.0%)から60代(22.6%)まで年齢が上がるほど割合は大きくなりますが、インターネットのほうは40代が38.0%と頭一つ出ているものの大きな年代の差はない状況でした。
では最後に、これから始めたい運用方法についての質問です。
どんな運用方法に興味がある?
これから始めたい資産運用はありますか?(複数回答)
こちらも、現在行っている資産運用に近い感じの結果となりましたが、大きな違いは「貯金」(30.6%)と答えた人はグンと減って、「行う予定はない」(56.4%)がダントツの第1位であること。どうなるかわからない将来のために資産を運用するよりも、今の暮らしを充実させることに重きを置くライフスタイルの現れなのかもしれません。
今回の調査でわかったのは、年代に関わらずハイリスク・ハイリターンな投資に賭けるよりも、地道に資産を守っていくというスタンスの人が多くを占めるということ。いずれにしても、どんな方法を選ぶかに関わらず、大切な資産は確かな知識と情報をもとに運用していただきたいものです。