家選びにおいて「持ち家」か「賃貸か」、この議論はいつの時代も話題に上るテーマですよね。テレワークなど働き方が多様化してきたことで、住まいに関する考え方も変化しつつあるのではないでしょうか。
全国の622名を対象に「不動産購入」の意識調査を行ったところ、住宅の購入を検討したことがある方(実際に購入した方も含む)は51.5%、一度も検討したことがない方は48.4%と二極化した結果となりました。今回は、そんな「持ち家派or賃貸派」の最新事情を調査レポートに詳しくまとめましたので、ぜひご覧ください。
「住宅を購入したい」「ずっと賃貸暮らしで考えている」、このように思う理由には、それぞれどういったものがあるのでしょうか。
住宅を購入を検討した理由としては、「家賃がもったいない(40.8%)」「子どもの誕生・成長・独立(25.9%)」「将来の資産として(24.9%)」が多く見られました。また、自由回答では「ペットを飼いたいから」という理由も何件か寄せられたのも印象的で、賃貸にはない自由度の高さや資産価値を理由に家を持ちたいと思う方が多いようです。
一方、住宅を購入しない理由としては、「分からない・特にない(39.9%)」「家を購入するお金がない(30.5%)」の回答が多い結果となりました。また、家の購入を検討たことがあるかという質問では、「購入を検討していないが、いつか購入したい」という割合が未婚者で高く、「検討したが、購入はやめた」割合は既婚者が高いという結果が見られ、いざ住宅購入を現実的に考えはじめると、金銭面などを理由に諦めてしまうケースも多いように感じます。
その他には、「借金を抱える不安がない(14.2%)」「修繕費や維持費の負担がない(13.9%)」といった経済負担が少ないことや、「引っ越しや住み替えがしやすい(12.1%)」といった生活環境を変えやすいことを理由に賃貸暮らしを選択している方も多い傾向にありました。
ここからは、住宅の購入を検討したことのある方を対象に、これまで探した物件の特徴や重視した点などを伺い、理想の住宅に求めるものを探っていきたいと思います。
はじめに、購入を検討した物件の形態を伺ってみたところ、全年代とも戸建て(新築)が圧倒的に多い結果でした。「マイホームと言えば新築の一軒家」と考える方は、世代にかかわらず多いようですね。
しかしながら、近年は中古物件の購入規模も拡大していると言われています。今回のアンケートでも中古物件を検討したことのある方は42.9%に上り、概ね築20年未満の物件を探している割合が高いことが分かりました。また、他の世代に比べ20代の回答は戸建て(中古・リノベーション済)の割合が多く見られたのも印象的でした。
続いて、みなさんが物件を選ぶ際には、どのような点を重視しているのでしょうか。戸建て・マンションそれぞれで伺ってみました。
戸建ての新築物件は、「周辺環境の良さ」「日当たり・住宅の向き」、中古物件では「間取り・広さ」「価格が安い」、中古でもリノベーション済物件の場合は「周辺環境の良さ」「価格が安い」といった結果となりました。戸建てでは、物件の形態によって重視する点が異なることが分かります。
一方、マンションは物件の形態にかかわらず、「交通の利便性」と「間取り・広さ」を重視する傾向にあるようです。また、住宅を購入したい理由にもあった「ペットが飼えること」という点も、マンションを希望する方にとっては、重視すべきポイントになるようです。
住宅購入は、人生の中でも1、2を争う大きな買い物です。そのため、理想の住まいを見つけるのと同じくらいよく考えなければいけないのが「資金計画」ですよね。
検討した住宅の価格帯を伺ったところ、最も多かったのが「2,000~3,000万円未満(24.0%)」、次いで「3,000~4,000万円未満(19.9%)」「1,000~2,000万円未満(15.6%)」となりました。資金計画は、60.2%の方が自己資金と住宅ローンでの購入を検討し、ローンの返済期間は「31年以上35年以内」が30.1%と最も多いことが分かりました。
さらに、自己資金について詳しく伺ってみたところ、自分で用意する場合は「200万円~400万円未満」、両親等からの援助がある場合は「400万円~600万円未満」の割合が高く、30代では自己資金なしのフルローンで住宅購入を考えている方も多く見られました。
※本レポートは全国の方を対象にアンケートを実施しているため、価格帯は居住地によって大きく差があります。資金計画をお考えの際は、各地域の情報等をもとにご検討ください。
超低金利時代と言われて久しい昨今ですが、仮に2500万円の家を金利1%、35年ローンで購入した場合、毎月の返済額は約7万円になります。
今回のアンケートでは、現在月6~7万円未満の賃貸にお住まいの方が多く見られましたが、月々の支払いだけを比較すれば、今の家賃に少し上乗せすれば理想のマイホーム購入も夢ではないかもしれません。
税金や維持費の面、生活の自由度など、持ち家と賃貸それぞれにメリット・デメリットはありますが、本記事をきっかけに、改めてライフプランを見つめ直して、これからの住まいについて考えてみてはいかがでしょうか。