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レジ袋の有料化で脱プラ生活開始!最近のエコ活動や省エネの取り組みを大調査レジ袋の有料化で脱プラ生活開始!最近のエコ活動や省エネの取り組みを大調査

レジ袋の有料化で脱プラ生活開始!
最近のエコ活動や省エネの取り組みを大調査

2020年7月1日より全国的にレジ袋の有料化がスタートしました。深刻化している地球温暖化や海洋プラスチックごみ問題など、環境問題を改善する一環とした政策ですが、世界的なSDGs(Sustainable Development Goal・持続可能な開発目標)の流れもあって、脱プラスチックのはじまりでもあるレジ袋の有料化は大きな注目を集めました。

そんなレジ袋の有料化がスタートして丸1ヶ月経過しましたが、脱プラ生活の開始によって、わたしたちの「エコ」や「省エネ」に対する意識や行動はどのように変化したのでしょうか。今回は15歳-69歳の男女にアンケートを実施して、リアルな声を聞いてみました。

目次

レジ袋の有料化がスタートしたけれど、みんなはエコバッグを使っている?

まずは現在エコバッグの利用状況について伺ってみたところ、エコバッグを利用している方は全体の86.7%と、利用していない方を大きく上回る結果となりました。

ただ、エコバッグを利用していないと回答した方の男女比を見てみると、男性の方が女性よりも4倍も多いことも分かりました。仕事の時や一人で買い物をする時など、エコバッグを持ち歩かない男性もまだ多いようですね。

一方、エコバッグを利用していると回答された方に、「7月1日のレジ袋有料化以前からエコバッグを利用していましたか?」という質問もしたところ、実に77.9%の方はレジ袋が有料になる前からエコバッグを使っていたことも今回明らかになりました。

中でも、30代以上の女性は86.1%、未成年者の子供がいる家庭では85%と高いことから、女性や子育て中の家庭では、日頃からエコや省エネに対する意識や関心を持っている方が多いと言えることも分かりました。

レジ袋が有料になって、あなたの生活に変化はあった?

次に、レジ袋の有料化がはじまる前とはじまった後で、生活上の意識や行動にはどのような変化があったのかについて伺ってみました。

割合だけで見ると「分からない・特に変化はない」と回答された方が最も多かったですが、「持っていたけれど使っていなかったエコバッグを使うようになった」「レジ袋を持ち歩いて再利用するようになった」といった、レジ袋の有料化に伴って、これまでにはなかった新たな生活様式ができたのは明らかと言えますね。

とはいえ、いつもエコバッグを持っているとも限りませんし、どうしてもレジ袋が必要なシーンは出てくるはず。そこで、「あなたは現在レジ袋が1枚いくらまでなら払ってもよいと考えていますか?あるいは実際にいくら払っていますか?」という切り口でも伺ってみることにしました。

回答結果を見てみると、レジ袋を購入するのであれば3円または5円あたりがボーダーラインであることがわかりました。これは、よく利用するコンビニエンスストアやスーパーがこの値段を設定しているという理由もあると考えられますが、6円以上になるとお金を払ってまでレジ袋をもらいたくないと思う方が非常に多くなることがわかります。

また、特徴的だったのは「払わない(必ずエコバッグを持参する)」と回答した方が全体の27.9%と最も多かったことです。やはり、これまで無料だったものにお金を払うことへ抵抗を感じている方は少なくないようですね。

ただ現在のところ、同じレジ袋でも、
1. プラスチックのフィルムの厚さが50マイクロメートル以上のもの
2. 海洋生分解性プラスチックの配合率が100%のもの
3. バイオマス素材の配合率が25%以上のもの
4. 持ち手のないプラスチック製の袋
5. 紙袋や布袋

これらいずれかに該当していれば有料化の対象外とされているため、一部のコンビニや外食チェーンではレジ袋を無料配布している店舗もあります。逆に紙袋を使う場面の多い百貨店では、紙も同じ資源であり、かつエコバック・マイバックの利用促進の後押しという意図で、紙袋も有料にする店舗も見られるなど様々です。

わたしたちはつい「有料」か「無料」という点に意識がいきがちですが、本来は「レジ袋の有料化に伴って、あなたの生活や行動にはどのような変化がありますか?」という質問で6.4%と少数派の回答だった「レジ袋が有料ではない店でもレジ袋を断るようになった」という方が増えていくことこそ、レジ袋有料化の目的が達成できると言えるのではないでしょうか。

みんなが実践しているエコ活動や省エネ対策を聞いてみた!

では、今回レジ袋の有料化がスタートすることによって、みなさんの中で「エコ」や「省エネ」に対する意識にも変化があったのでしょうか。

回答結果を見ると、「変わった」という方は全体の12.8%で「特に変わらない」という方が27.0%。そして、全体の60.2%はレジ袋の有料化以前からエコや省エネに対して意識していたことが明らかとなりました。

そこで次に、みなさんが普段どのようなエコ活動や省エネ対策に取り組んでいるのかについて、具体的に伺ってみました。

回答結果を見てみると、節電や節水、リサイクルに関しては、国や自治体からの呼びかけや積極的な取り組みをしている企業も多いことから、わたしたち個人の意識としても、しっかりと定着している様子が伺えます。

一方、回答で目立ったのは「食品ロス・フードロスを減らす」という取り組みが3番目に多かったことです。「食品ロス」「フードロス」といった言葉が世間で大きく注目されはじめたのは、SDGsの取り組みがはじまった2016年頃からと日がまだ浅いものの、近年のエコ活動として定着しつつあることを感じさせる結果となりました。

これと同じように、今回スタートしたレジ袋の有料化についても、「プラスチック削減・脱プラスチック」といったエコ活動が定着するきっかけとなればいいですね。

おうちや外出時で使っているエコグッズや省エネ製品

最後に、皆さんが使っているエコグッズや省エネ製品についてどんなものがあるかについても伺ってみましたので、これからエコ活動や省エネに取り組んでいこうと考えていらっしゃる方は、ぜひ参考にして頂ければと思います。

おうちで使えるエコグッズや省エネ製品

LED

わたしたちの生活に定着しつつあると言える省エネ製品の代表と言えばLEDですよね。日本照明工業会の調査によると、2020年にはLEDの普及率は50%に達すると見られています。最近では海外製の輸入によって安価なLED電球や照明も購入できるようになりましたので、この機会に自宅の電球や照明も見直してみてはいかがでしょうか。

太陽光発電

太陽光発電を導入してオール電化やエコ給湯器など、節電や電力リサイクルに取り組まれている方も多いようです。設備費用が高いというデメリットはありますが、太陽光発電設置の補助金制度がある自治体もありますし、電力会社に売電できるなど経済的なメリットもありますので、新築の購入やリフォームを予定している方は検討してみてはいかがでしょうか。

節電タップ・節水シャワー

経済産業省資源エネルギー庁の資料によると、一般家庭の電力量の内、待機電力量は平均約6%、一般的なシャワーの湯量は1分間で約12リットルにもなると言われています。節電タップや節水シャワーを使うだけでも、大幅な節電・節水につながるだけでなく、水道光熱費も年間で数千円から世帯によっては数万円の節約となります。簡単に導入できて効果も大きい省エネ対策としておすすめです。

エコラップ・エコたわし

脱プラスチックの実践なら、繰り返し使えるエコラップや洗剤いらずのアクリル製のエコたわしを使ってみてはいかがでしょうか。これまでキッチン用品はプラスチック製が多く使われてきましたが、最近ではこうした非プラスチック製のキッチン用品もたくさん出てきました。調理のしやすさや洗いやすさのメリットも多いので、これから積極的に活用していきましょう。

観葉植物(エコプラント)

NASA(アメリカ航空宇宙局)の研究によって、空気の清浄化やCO2(二酸化炭素)の削減効果を持つスパティフィラムやポトスといった「エコプラント」と呼ばれる観葉植物も注目されています。スマートなエコ活動を重視する方は、観葉植物を使って室内のインテリアとエコを融合させた取り組みも考えてみてはいかがでしょうか。

外出時に使えるエコグッズや省エネ製品

エコバッグ・マイバッグ

レジ袋が有料化になる前後から、色々な種類のエコバッグやマイバッグが販売されているので、この機会に新しく購入されたという方も多いと思います。ただ実際に使いはじめてみると、「上手に物が収まらない」「思っていたより使い勝手が良くない」と感じることもありますよね。そういった場合は、買い物の傾向に合わせたエコバッグやマイバッグを自作するというのも1つです。様々なデザインのエコバッグの作り方が載った書籍や動画もありますので、参考にして作ってみてはいかがでしょうか。

冷感衣類・発熱衣類

2005年から環境省が呼びかけを開始したクールビズやウォームビズによって、冷感シャツや発熱インナーなどの衣類も今ではすっかり定着しましたよね。冷暖房によるCO2の削減につながる立派なエコ活動の1つですが、どちらかと言えば熱中症対策や防寒・冷え性対策用として購入される方が多いと思います。この機会に、改めてエコや省エネ効果にも目を向けて新調してみてはいかがでしょうか。

マイボトル

タンブラーやステンレス製の水筒など、マイボトルを持ち歩く方も増えてきました。ペットボトルや紙パック、空き缶などの削減に貢献できることはもちろん、衛生面からも、こうした自分専用の製品は今後注目されそうです。また、曲げわっぱ(木製の弁当箱)、マイ箸、アルミやステンレス製のマイストローなど、非プラスチック製品もたくさんありますので、脱プラ生活も兼ねて自分専用エコグッズを揃えてみてはいかがでしょうか。

SDGs(エスディージーズ)達成に貢献するために!
まずはできることからはじめよう

SDGs(Sustainable Development Goal・持続可能な開発目標)は、「貧困に終止符を打ち、地球を保護し、すべての人が平和と豊かさを享受できるようにすることを目指す普遍的な行動」を呼びかけるため、2016年に17の目標を掲げました。

この目標を2030年までに達成するため、2020年からの10年間は「行動の10年(Decade of Action)」とされ、世界各地で取り組みのスピードと規模を拡大することに力を入れはじめています。

2020年7月1日からスタートしたレジ袋の有料化による脱プラスチックの政策も、日本の国を挙げたSDGsの行動の1つですが、SDGsは国や企業だけが取り組むだけでは実現できることではありません。わたしたち個人が、今まで以上にエコ活動や省エネ対策などの意識や行動をすることによってこそ、SDGsは達成に向けて加速していきます。

10年後、20年後、そして100年後に平和と豊かさを残していくために、簡単なことでもよいので、自分ができることからはじめていきましょう。