突然ですが、みなさんは9月19日が「苗字の日」という記念日であることをご存じでしょうか?明治維新後に新政府は四民平等の社会を実現するため、「平民苗字許可令」を1870年9月19日に公布して、誰もが苗字を持つことができるようになりました。
今回はそんな「苗字の日」にちなんで、15-69歳を対象に「名前」に関する意識調査を実施しました。この機会に、あなたも自分の名前の由来や付け方について向き合ってみましょう!
はじめに、自分の名前について「好きですか?嫌いですか?」「変えたいと思ったことはありますか?」、この2つの質問をしてみました。
「大好き」「好き」と回答した方は53.9%、「あまり好きではない」「嫌い」が11.4%、「どちらでもない」という方は34.7%と、自分の名前に不満を感じている方はそれほど多くないようです。一方で、自分の名前が好きと回答した方の約8割は、過去に一度は名前を変えたいと思ったことがあることも分かりました。
続いて、自分の下の名前にどのような意味が込められているのか、由来や理由について知っているかを伺ったところ、65.3%の方が「知っている」と回答されました。男女別で見ると、男性は55.9%、女性は74.9%と、女性の方が自分の名前の由来を知る機会が多いようです。
また、兄弟がいらっしゃる方に「あなたの名前(下の名前)は、両親や兄弟の名前と共通点がありますか?」と伺ったところ、「ある」が24.2%、「ない」が67.3%という回答結果となりました。
名前(姓名)の読み仮名の文字数についても伺ったところ、全体的に7文字(27.9%)・6文字(27.2%)が多いことが分かりました。世代別で見ていくと、40代以上は8文字と長めの名前が、10~20代は3文字や5文字といった、若干短めの名前の傾向も見られます。
このように自分の名前と向き合ってみると、名付けた方の想いや世代による違いなどが見えてきます。由来や理由を知らない方、覚えていない方は、この機会に名前を付けてくれた方に伺ってみてはいかがでしょうか。
次に、お子様がいらっしゃる方を対象に、どのようなことを意識して子どもの名前を決めたのかを伺ってみました。全体では「画数(47.1%)」「漢字(39.8%)」「名付けの理由や由来(33.0%)」「読みやすさ(33.0%)」といった回答が多く見られました。
男女別で見ていくと、男性は「名付けの理由や由来」や「読みやすさ」、女性は「音の響き」「苗字とのバランス」を意識する傾向にあることが分かりました。
また、10~20代の若い世代は、「知人とかぶらない名前」が「漢字」「苗字とのバランス」と同率で37.5%と最も高かったのも特徴的でした。周りとかぶらない個性的な名前と言えば、最近では「キラキラネーム」が話題になっています。
キラキラネームとは、「愛=らぶ」「海=まりん」「光宙=ぴかちゅう」など、外国語やキャラクターの名前に、一般的な読み方とは異なる漢字を当てて名前を付けることです。
このキラキラネームを付けることについて伺ってみたところ、賛成派は7.2%、反対派は59.5%という結果になりました。それぞれ理由を伺ってみたところ、賛成意見としては、「かわいい」「子どもの名前は自由に決めたい」、反対意見としては「いじめなどにつながらないか」「将来大きくなった時に子どもが後悔しそうだから」といった回答が多く見られました。
現在日本では、結婚すると男性または女性いずれか一方の苗字を名乗ることが民法で定められています。ここ最近になって、選択的夫婦別氏制度、いわゆる夫婦別姓に関する声が各所で多く聞かれるようになりましたが、今回みなさんの率直な意見を伺ってみました。
まず、結婚する際に相手の苗字を気にするか(気にしたか)を伺ってみたところ、「気にする(気にした)」が12.2%、
「気にしない(気にしなかった)」が60.3%と、苗字が変わることに抵抗を感じている方は少ないようです。
ただ、男女別では、女性は「気にする(気にした)」が20.3%と男性の約4倍も多く見られました。理由を合わせて伺ってみたところ、「苗字と名の組み合わせが変になったら嫌だから」「自分の下の名前に合うかどうか」といった意見が多い傾向にありました。日本では結婚すると男性の苗字に統一することが一般的なことから、名前が変わることに、いくらか抵抗を感じる女性はいらっしゃるようです。
夫婦別姓の賛否については、賛成派が40.7%、反対派は19.6%という結果になりました。こちらも男女別で見ると、女性は賛成派が46.35%と多く、逆に男性は反対派が25.16%と多い結果となり、回答に差が見られました。
続いて『「選択的夫婦別姓制度」が導入されたら別姓にしたいと思いますか?』という質問をしてみたところ、「同姓にしたい」が33.6%、「別姓にしたい」が9.6%、「どちらとも言えない」が35.0%で、男女差もほとんど見られず、実際に夫婦別姓にするかについては、また別の問題であることも分かりました。
古くから「名は体を表す」と言われてきたように、名前はその人となりを表す大切なものです。苗字には家系の歴史が、下の名前には名付けた方の想いが込められています。
この機会に「名前の大切さ」を改めて考えて、自分の名前はもちろん、家族や友人・知人の名前に意識を向けて、今まで気づかなかったその人の個性を探してみてはいかがでしょうか。