豆まきで邪気を払うことで幸せを招くとされる「節分」は、日本の年中行事のひとつ。立春の前日、毎年2月3日前後に行われます。
節分の由来については諸説ありますが、もともと文武天皇(飛鳥時代)の頃に中国から伝わった宮中の年中儀式でした。それがのちに社寺や民間でも行われるようになったといわれています。
それからおよそ1300年を経たいま、どれくらいの方が節分行事を楽しんでいるのでしょうか。
「する予定」の人は34.9%、「しない」人は約35%。ほぼ同数という結果となりました。「節分は知っていても豆まきはしない」という人が結構多いことがわかります。
より詳しく年代別に見ると、「(豆まきを)しない人」は20代が一番目立ち、43.8%。年代が上がると「する人」が増え、50・60代では35%を超えています。
東北、北海道エリアでは回答者の多数が落花生を用いており、今回のアンケートでは北海道、秋田県、宮城県に「落花生をまく人」が多く見られました。節分には「大豆」が一般的ですが、地域によっては「落花生」を撒くところも少なくありません。
なお、鹿児島県を筆頭に、九州でも落花生が使われています。これは「鹿児島県は落花生の生産量が多いため」だといわれています。また、少数ですが「お菓子を撒く」といった回答も見られました。
まず全国的に見て、年代に関係なく半数以上の人が「節分の豆を食べる」と回答しています。年齢が増すと食する数は増えており、60歳を過ぎても年の数だけ食べる方は多いようです。
恵方巻の由来については諸説あるようですが、江戸末期に大阪の問屋街船場で、商売繁盛や無病息災を願って食べたのがはじまりだといいます。正確な起源は不明で、一時は廃れたものの、1970年代、大阪海苔問屋協同組合が開催した海苔の販売促進イベントで復活。90年代には、スーパーマーケットやコンビニでも販売されるようになり、節分に恵方巻きを食べる習慣が、全国に普及していったそうです。
現代では「スーパーでの購入」が大多数。意外なのは、「手作りする」と答えた10・20代が多いこと。これは小学生、中学生のいる家庭では、節分にみんなで手巻き寿司を作るケースもあるのではとも考えられます。
2018年の恵方は「南南東やや南」。この方角に向かって恵方巻を食べれば、あなたにも福が訪れるかもしれません。
節分にはほかにも、いろいろな習慣や楽しみ方があります。よく知られているのが「イワシを食べる」「ヒイラギと焼いたイワシを飾る」といった風習でしょう。
アンケート結果によると、50代女性に「イワシとヒイラギを飾る人」が多く見られます。
かつて節分では、焼いたイワシの頭をヒイラギの小枝に刺して(ヒイラギをイワシの目に刺すこともある)、玄関に飾って魔除けにしていました。これには「ヒイラギの鋭い葉が鬼の目を刺し」、「イワシの頭を焼いた匂いと煙は鬼(邪気)を遠ざける」という意味があったそうです。
また年齢を問わず、「節分スイーツを食べる」と回答する女性が少なくありませんでした。これは先述の「恵方スイートロール」など、スイーツ商品が増えていることも影響していると考えられます。
今回「節分行事をしない」という人は全体の三分の一を占めていましたが、単に「面倒だから」「興味がないから」という理由だけではないかもしれません。というのも、「渡辺」「坂田」姓の中には、節分を一切やらないという家があるからです。どうしてかというと、平安時代の武将・渡辺綱、その家来である坂田金時が鬼退治をしたから。鬼たちが渡辺一門を恐れ、子孫に近づかなくなったため、今でも渡辺・坂田姓の中には「節分をしない」という家があるのだといわれています。
このように節分には、さまざまな日本の歴史が凝縮されているようです。今まで興味のなかった人も、今年は豆まきをしてはいかがでしょう。