狙いどおりの共通ポイント導入、
釣具ビジネスとも好相性

フイッシュランド様

ビギナーも入店しやすいスーパーのような釣具店

釣り好きにとって一度は訪れてみたい北海道。大自然が堪能できる海釣り、磯釣り、川釣りのほか、冬季は凍結した湖沼での氷上ワカサギ釣りが有名だ。

フイッシュランド（fishland.co.jp）は北海道で全15店舗を展開する地元密着型の釣具店チェーンで、1976年（昭和51年）に創業した。現在は祖業の釣具店に加え、メガネ事業部の「Dr.EYE’s（ドクターアイズ）」、宝石事業部の「エリザベス宝石」、介護事業までビジネスを多角化。ドクターアイズが全国展開を図るなど、さらなる飛躍を遂げている。

コロナ禍以降、3密（密閉・密室・密接）回避の流れも相まって釣りブームが到来したのはご存知だろう。フイッシュランド 営業次長 斧おの克己氏は「コロナ前に比べて釣りをはじめる人が多くなったように感じます。客層も女性や若い人たちが増えてきました」と語る。

フイッシュランドが釣りビギナーを惹きつける要因は、創業者の哲学にある。同社は“釣具スーパー”を掲げ、初心者でも入店しやすい店づくりを心がけてきた。

「かつての釣具店は個人経営の店が多く、どうしても敷居が高くなりがちでした。我々はスーパーのように誰でも気軽に入れる新しい釣具店をめざし、はじめてお店に来るお客さま、あるいはこれから釣りをはじめてみたいというお客さまに対して、お声がけいただきやすい雰囲気づくりを重視しています。会話をしながら、お客さまのお困りごとや釣具購入のお手伝いをする姿勢が基本。その点は、フイッシュランドの強みだと自負しています」（斧氏）

2021年7月、フイッシュランドは全店舗でdポイントを導入した。きっかけは、ドコモ北海道支社からの提案だった。

「もともと自社ポイントを発行し、お客さまサービスや店舗のファンづくりの一環として活用してきました。メンバー会員にはポイントが5倍、10倍になるポイントデーを設定しており、進呈率を変えると如実に売上と客数が増える傾向があることを把握していました。そこで自社ポイントとともにdポイントのような共通ポイントを導入すれば、さらなるお客さまサービスの強化、そして企画面での広がりが期待できると考えました」（斧氏）

新規顧客獲得と客単価向上に大きく貢献

導入に際しては、他社の共通ポイントも比較検討した。しかし、「他社のポイントは我々の望む方向と違った」と斧氏はいう。

「選択の基準は、自分たちのサービスに合致するかどうか。北海道支社担当の青木（康介）さんからdポイントの提案を聞いたとき、フィッシュランドの事業との親和性と、次につながる可能性があると感じました。

導入の決め手となったのは、まずドコモが多数のdポイントユーザーを抱えていること。次にポイントの貯まりやすさと利用店舗の多さです。なかでもポイントの貯まりやすさは釣具ビジネスと相性が良く、d払い／dカードと併用すれば最大2.5倍（※注：お店によりポイント還元率や対象となる金額が税込額・税抜額かの違いがあります）のポイントがつきます。これは自社ポイントとあわせればかなりの進呈率になり、お客さまにとって大きなメリットになります」（斧氏）

導入後の効果はどうか。フイッシュランドは固定客の割合が高く、リピーターが多い。その一方で「dポイントユーザーはライト層が多く、週末やゴールデンウィークなど、固定客とは異なるタイミングで利用率が上がる」と斧氏は指摘する。

「年齢層を見ると、dポイントユーザーはフイッシュランドの従来の顧客層よりも少し若い人たちが多かったです。冒頭でふれたコロナ禍で来店するお客さまの傾向と、ある程度dポイントユーザーの属性は一致するのかもしれません。我々も新規顧客の開拓が念頭にあったので、まさに狙いどおりの効果となりました。

また、うれしいことにdポイントユーザーは明らかに客単価が高い。購入時にdポイントを利用して支払うお客さまが多く、そこで単価が向上しているのだと思います。これは、我々の事業にとっても波及効果をもたらしています」（斧氏）

導入から運用に関しては、ドコモのきめ細やかなフォローにより「非常にスムーズだった」と斧氏は振り返る。今後については顧客データの分析を踏まえた独自キャンペーンや、dポイントの利用率アップに向けたデジタルマーケティングを、ドコモと連携しながら進めたいと話す。

「最近の釣りブームは女性にも広がり、おしゃれでスタイリッシュなイメージも定着しつつあります。そうした新しい人たちがフイッシュランドのファンになってくれるような一工夫が必要と考えています。ポイント活用は女性のほうが親和性がありますから、これから釣りに興味を持つ人たちに向けて、フイッシュランドでdポイントが利用できることを知っていただけるように努力していきたいですね」（斧氏）

趣味の世界は最初のハードルは高いが、一度ハードルを超えればどんどんはまる。親しみやすい店づくりとdポイントの活用によって、フイッシュランドはビギナーが熟練者になる過程をサポートしていく。

他の事例を見る